米国呼吸療法士とは。
米国で医師や看護師と共にチーム医療を支える呼吸療法士 (Respiratory Therapist : RT )は、人工呼吸器の管理や呼吸ケアに特化した専門職。患者の「呼吸」を守るスペシャリストとして、緊急医療や集中治療の現場で欠かせない存在です。このサイトでは、日本にはまだないこの重要な役割について、その使命と専門性を詳しくご紹介します。
米国呼吸療法士 ( RT )という資格。
米国でRTとして働くには、まず呼吸療法の専門教育を受け、認定資格を取得することが必要です。多くの呼吸療法士は「呼吸療法士認定機構」(NBRC)の認定試験に合格し、CRT(Certified Respiratory Therapist:認定呼吸療法士)またはRRT(Registered Respiratory Therapist:登録呼吸療法士)資格を取得します。資格取得後も継続的な学習が求められ、医療の現場で最新の知識とスキルを提供することが期待されています。
ハワイのRT事情。
ハワイでも米国本土と同様に呼吸療法士(RT: Respiratory Therapist)は医療チームの重要な一員として活躍しています。ハワイ州では呼吸療法士の資格保持が義務化されており、CRTまたはRRTの認定資格取得者が多く、特に人工呼吸器の管理や重症患者の呼吸ケアが求められます。ハワイの医療機関、特にホノルルの主要病院では、観光客や地元住民を支えるために高度な呼吸ケアの需要が高まっており、RTの役割が重要視されています。
米国呼吸療法士になるためのハワイの学校。
ハワイで米国呼吸療法士(RT)になるには、まず米国認定の呼吸療法学プログラムを修了する必要があります。ハワイではこの学校はダイヤモンドヘッドの麓にキャンパスを持つカピオラニコミュニティカレッジ(KCC)のみになります。KCCのRespiratory Care Practitoner Programに入る必要がありますが、そのためには解剖生理学などの指定されたクラスを事前に受けてから申請します。募集は1年に1度にのみで、ハワイ市民が優先となります。留学生がこのプログラムに入るには知名度のある推薦状が必須です。
米国呼吸療法士の必要性
日本では、医師や看護師が呼吸ケアを担当することが多いですが、専門知識を持つ呼吸療法士の存在は、特に重症患者の増加や高齢化が進む中でますます重要になっています。また医師や看護師の業務量の多さや人手不足に対し、アメリカでは呼吸療法士が一部の業務を担うことで医療チームの負担を減らします。呼吸療法士は、人工呼吸器の管理や呼吸リハビリに特化したスキルを備え、医療チームの中で専門的な呼吸ケアを提供する役割を果たせます。Covid-19のパンデミック中、医療崩壊が懸念されている中、人工呼吸器の患者さんを支えたのは呼吸療法士の存在です。今後、日本でも医療の質と効率を高めるために、呼吸療法士は医療チームの一員に必要であると考えます。